銀座フレンチ サラマンジェ

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ケチネタをもう一本。

〈Diplomate ディプロマット〉というお菓子がありますが、これをご存知のかたはおそらくそう多くはないでしょう。ケーキ屋さんのショーケースに並ぶことはまずないですから。

簡単に言うとブリオシュにプリン液をしみこませて型に詰めて焼いたもの、ま、パン・プディングといっていいでしょう。多くの場合ドライフルーツなんかを入れたりします。なかなかおいしくて私はダイスキなんですがね。

で、これがたまぁ~にレストランのデザートにあったりします。

レストランではブリオシュではなくて、いろんなスポンジ生地を使います。が、そのスポンジ生地はディプロマットのために用意されることはありません。ほかのデザートを作った時に出た切れっぱしを寄せ集めて作るのですよ。だから茶色いのや白いのやいろんなのが混じってます。それがまたキレイでいいんですけどね。

コレ、書いちゃうと実際にやってるお店にはご迷惑かもしれませんが、このブログをお読みの賢明なる皆様なら妙な偏見は抱かないだろうと信じております。

ハッキリ言っちゃうと廃物利用みたいなお菓子なんです。
だから高級レストランで出てくることもありません。

けどね、ビストロとかでこれをデザートメニューに見つけると、「廃物利用」だとわかっていても私は必ず注文してしまいます。
「このお店のはどんなのかな」という興味もさることながら、それをやるシェフの真面目さというか、仕事に対する姿勢に惹かれるのです。

なぜパティシエじゃなくてシェフかといえば、そういう店はおそらくパティシエなんかいなくて、シェフがデザートまで全部やる店なんですよ。エライね。その真面目な姿勢は当然料理にだって共通するものでしょう。

今やデザートは冷凍の出来あいものを仕入れる店もあるやに聞きます。そんな店では絶対に出てこないものです。料理人はデザートが不得手という事情もあるでしょうし、完成度の低いデザートを出すよりはいいかもしれませんが、そんなのはツマラナイと思いませんか?

もし、あなたのご近所にディプロマットを出す店があったら、そんなお店はどうか応援してあげてください。

11件のフィードバック

  1. イギリスのトライフルと同じような感じなのでしょうか。
    和食でも魚のアラを出す店は良い店なんて事をいいますし
    食材を余す所無く美味しく使うのは腕のいい証拠だと思っています。
    しかし、ケチ話というかお店が創意工夫をされてコストパフォーマンスを
    上げる話 けっこう客も勉強になります。
    前のクレジットカード精算の話でも 「現金ではなくカードで支払うのが
    スマートなマナー」なんて書いてあるネット情報も多いですから。
    まあ、確かにスマートな事はスマートなんでしょうがお店にとっては売り上
    げが数パーセント減るって事を意識しているかしていないかは大きな違
    いだと思います。
    「お客様は王様です。しかし 王様の中には首をはねられた奴も大勢いる」
    名君になるには民衆の声を聴くのが一番、寝首をかかれないようにしなければ。

  2. いつも楽しく拝見しております。
    この場で何回か登場しておりますクレジットカード使用の件で、私なりの意見を述べさせて戴きたいと思います。
    結論から申し上げると、お店側がカード手数料を負担したくないのであれば、カード使用不可、現金のみとすべきだと思います。
    それならそれで筋が通っていますが、カード使用可と謳い、片一方で売上増を目論んでいながら、実際に使用されるのは困るというのは虫がいいのではないでしょうか?
    以前、某カード会社に問い合わせたところ、現金支払いと、カード支払いに価格の差をつけるのは契約違反だと聞きました。
    もしそうなのだとしたら(間違っていたらスミマセン)、いくら理屈に合わないと思われても、結論としてはそのルールを承知で契約しているわけですから、潔く従うべきでしょう。
    繰り返しますが、嫌なら現金支払いのみのお店にすればよいのです。
    以前、サラマンジェさんでカードで支払おうとしたら、いい顔をされませんでした。
    気持ちは分かりますが、それは潔くないのでは?
    楽しかった食事が、それだけの事で台無しの気分になる事だってあるのです。
    もちろん、あまり少額での使用が客側で配慮すべきかとも思いますが、少なくともお店側では、それは言うべきではないし、顔に出すべき事でもないと、私には思えますが…。
    如何なものでしょう。

  3. 全くおっしゃる通りでございます。
    まず、御不快な思いをさせてしまったことにお詫びを申し上げなければなりません。
    申し訳ございませんでした。
    私が以前書いたエントリはお読みいただきましたでしょうか?(コメント欄も併せてお読みいただきたいと存じます)→http://actbit.xsrv.jp/development-sam-test/%E6%A5%AD%E7%95%8C%E6%9A%B4%E9%9C%B2%E3%83%8D%E3%82%BF%E3%80%81%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82/
    確かに私はカード会社の規約を了解したうえで契約を結びましたが、私の論旨は「支払方法によって不公平が生じるのは不合理」という“問題提起”をすることであって、「カードは使ってほしくない」という趣旨の発言をしたことはないと記憶しております。
    一般論として申し上げるなら、カード会社の規約がどうであれ、現実には加盟店(私どものような事業者)は手数料を負担しておりません。上記リンク先のエントリに書いたとおりです。
    そのタテマエと実情の乖離について「現実を見据えた柔軟な対応を」と申し上げたものです
    このテーマは店側から持ち出すには非常に神経を使う話題であることはご理解いただけると思います。これに懲りて(?)カードについて書いたのはこの一度きりですが。
    件のエントリのコメントでも申し上げました通り、カードを利用される方に対して不愉快な対応をするなどはあってはならないことと肝に銘じておりましたが、現実にそのような印象を抱かれたわけでございますから、申し開きのしようもございません。
    重ねてお詫びを申し上げます。
    また、メールアドレスを明記されてご意見をお寄せいただきましたことに対しまして、特に敬意を添えてお礼を申し上げます。
    サラマンジェ 脇坂
    追記:
    当該エントリを書いた当時は代理店一社のみとの契約でありましたので、「VISA・MASTERだけ」となっておりますが、現在はすべてのカードが使えます。

  4. カード使用の件に関して,以前お店に伺った際,会計に際し自分のカードが更新間際で使用期限が切れているかも?と思いつつ使用してしまい,大変ご迷惑をおかけしました.この場を借りてお詫び致します.そしてその際,お店の方も嫌な顔一つしなかった事を書き加えさせて頂きます.
    カードの手数料=サービス料とは思ってもいなかったので・・・・「サービス」なんてされていないゾ!そんな物いらんから安くしてくれ!と思っておりました.この問題は多分にカード会社の自己都合に由来する物でしょう.しかし客としては「カードで支払いの場合カード使用料を頂きます」と明記される方がフェアだと思います.それからシェフはカードの手数料に関し,問題提起をされているだけで「使用するな」といっている訳で無い事,よく分かっております.客はカードを使う方がお得!と思っているから使用する訳ですが・・実際問題,小さな個人経営のお店では¥5000程度で使われちゃたまらん!という自体になるのでしょうか?
    話は変わりますが件のディプロマットを私の敬愛する某パティシエ様は銀座の一等地で堂々とお店に出しておりました.そして一般的には廃物利用であろうその一品が,卵臭さを出さずに,洋酒の香りをまとったドライフルーツのじみ深い味とアンビバージュをタップリしたかの様なビスキュイによって,琥珀色の輝きを放っておりました.作り置きの出来ない美味しさ・・他店で食べてその違いに愕然としました.一見なんでもない物がとんでもなく美味しいって時にシェフの腕を感じます.メールアドレスは「個人情報をなぜ書かせるのか?」位にしか思っていなかったので・・・出来る限り書く様に致します.

  5. 早速のご回答有難う御座いました。
    カード使用の件は、一般論として、常々私が思っている事を述べるつもりだったのですが、サラマンジェさんの例を引き合いに出してしまった事、お詫び申し上げます。
    私のケースは「カード使用は困る」とはっきり言われたわけではなく、その応対の時の雰囲気、言い回しに、私が受けた”感じ”であって、それが間違いだったのかもしれません。
    本来、お店と客(この言葉を使うのは妥当ではない気がするのですが、「食べ手」というのもしっくりしないし、適当な言葉が浮かびません)とはまさしく五分五分で、対等な関係だと私は思っております。
    しかし、一般的にはやはり客の方が強い立場にいるとされているのでしょうから(メディアに持ち上げられ、勘違いしているお店も多々ありますが)、不特定多数の方がお読みになる(オヤジシェフさんが反論しにくい)このサイトで、私個人の主観に基づいた、他の方に予断を与えるような表現はマナーに欠けていたかと反省しております。
    まして、片や虎ノ門のサラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカさんのシェフ・脇坂様と特定され、片や匿名の私では、フェアでないと思いますので。
    ま、その上で最後に言わせて戴きますと。(しつこいですね。スミマセン。(^_^;))
    > では『加盟店手数料』を負担するお店のほうは『使われるとソン』なのか、というとそんなことはないんで
    > すな。
    > 事業者は商売ですから、利益が出なきゃ続けていけません。レストランなら『サービス料』という名目で、
    > 一般小売店も手数料分を上乗せした売価を設定することで利益を確保しています。
    > (集客力の大きい大規模商業施設ではこの手数料が減免されていますが)。
    > 結局、手数料を負担しているのは消費者ということになります。
    > それじゃあ、現金で支払いをする人もカード利用者の手数料を負担することになりませんか?
    > 現金で支払いをしてもサービス料を免除されたことはないし、値引きしてもらったこともありません。
    > カード利用者にはいろんな特典が用意されている一方で、現金客には何も無いどころか
    > カード利用者の手数料まで払わされるなんてどう考えても理不尽じゃないっすか?
    このご意見の前段部分は、いささか無理のある論理の進め方だと思いますし、後段も、ある一面からだけの見方のような気がします。
    (言いっ放しのようで申し訳ないのですが、詳しく書くと長くなりますし、上記の理由で、ここでは議論すべきではないと思うので、結論だけ書いておきます。)
    レストラン経営は、真面目にやろうとすると、本当に大変な事と推察致します。
    まずもって、美味しい、美味しくないは主観的なものですし、その他、数多くの要素も絶対的な価値基準など無いものばかり。
    もちろん価格との見合いも、全く個人の主観ですし、その“気分”も、その時によって大きくブレる、とらえどころの無い、いい加減なものでしょう。
    ですので、一番大切な事は結局、シェフ、経営者の考え方、方針、そしてその具現化ではないでしょうか。
    私は、このブログで書かれているオヤジシェフさんの考え方には、概ね(はい、“概ね”です)共感しており、実際に訪問し食べてみても裏切られてはいません。(お店の前の、あの写真など、ちと怯むところもありますが。((((((^^;))
    いつだったか、このブログで「レストランはお客が育てる」と書かれていたような気がします。(違いましたっけ?)
    まあ、そこまではともかく、お店の成り立ちに客が関与する部分も確かに少なくないと思いますので、お互いにとって建設的な意見をやり取りするのは大切であり、その為に折角開いてくださっているこのサイトをうまく使えると良いのではないでしょうか。(具体的には色々難しいでしょうが)
    な~んて、素人が勝手なことを長々と書き連ねました。
    支離滅裂だったような気もしますが、ともかく私はとりあえず“今のところ”サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカのファンなんです。(^-^)/はい

  6. カード手数料は我々にとってはやはり“営業経費”ということになります。経費であるからご利用いただくお客さまに一律にご負担いただく、というのも一つの考え方ではあります。
    しかし、一部のかたに不利益を強いることに変わりはありませんので、そうやって理屈をつけるのは詭弁に近いものと私には思えます。他の経費とは性格が違いますから。
    「手数料は加盟店が負担する」という現実にはありえない約款にこそ問題があるのは明白ですが、消費者の利便に資することは事実ですから、信販各社の判断に拠るしか解決の手立てはありません。
    多くのレストランがそうしているように、お客様にはそれとは知らせず、現金でお支払いを頂ければお店はラッキー、というのが現状ですし、問題はあっても現時点ではそれしか方法がないとも思います。
    そしてこれこそがお客さまに要らぬご心配やご不満を抱かせる原因なのです。
    カードでの支払いがほとんど、という高級店ならそれで何の不都合も生じないし、高級店が10%のサービス料を課す根拠も納得できます。
    しかし、サービス料のない、けど支払いにカードと現金が混在するサラマンジェのような中途半端な店では、これは何とかしなければならない問題であると私は思うのです。
    いろいろと問題はありますが、お客様の利便を考えるとカードの取り扱いをやめることはできません。
    引き続き考えていかなければならない事柄です。

  7. シェフ、昨晩コントワーにて伺いました、
    大変美味しかった(旨かった)です。
    少々、喋り過ぎました(笑
    また宜しくお願い致します。

  8. 僕は今年 辻フランス校から帰ってきた帰国子女です! 三ツ星レストランピックにてポヤッソンを任されていました!
    お店によってはフランス校帰りを嫌う所もあるようですがワキサカさんはどうですか?
    自信はあります!

  9. 中島くん。
    すばらしい!
    自信があるのは大いに結構です。
    私もリヨンにいたころは辻の生徒さんと一緒に仕事しましたよ。
    意力のあるかたならどんな方でも嫌ったりしませんが、残念ながらタッチの差で求人は終了しました。
    狭い業界ですから、いずれ相見えることもあるでしょう。
    頑張ってください。

  10. ワキサカさんも僕たち辻調グループの学生と仕事をしていたんですね。 ワキサカさんは我が辻学園についてどう思われますか?

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