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『月刊専門料理』 連載・異種格闘技 今月のお題はタラでございます。

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タラの名称として生ダラを使うときはcabillaudカビヨ、塩ダラや干しダラはmorueモリュ、さらに燻煙したものはhaddockアドックと使い分けがされていますよね。あ、いや、一般のかたは「そんなこと知らん」でしょうけど、フランス料理界ではそういうことになってると私は認識しとるのです。(※今回は久々に料理人向けのエントリです)

いいんです、それで。

日本の料理界だけがそうしてるわけじゃなくてフランスでもやはり同じですから。

larousseで調べてみると、カビヨは「生のモリュにほかならない」、モリュは「塩漬け、あるいは乾燥したカビヨにほかならない」

ちょっとツッコミを入れたくなるところではありますが、はっきりと定義があるわけです。けれど、ここで注意が必要なのはカビヨを塩漬け・乾燥させたものがモリュなのではなくて、魚の種類としてはこれはモリュなのです。塩漬けも乾燥もしていない生であってもモリュはモリュです。料理素材としてはラルースの通りでいいんですけど。

「アドック」 これは実は英語でありまして<h>が発音できないフランス人が言うとこうなるわけですが、これもまた魚種名です。生であろうどうであろうとhaddockという魚の種類のことであります。因みに仏語ではéglefin/aiglefinエグルファンといいますね。

英国ではhaddockは燻製にしたものを好んで食べるのだそうです。それがフランスに伝わった時にタラの燻製品を「アドック」と呼ぶようになったんですな。今回私も慣例に倣ってスモークしたタラの料理名として「アドック」の語を使いました。使っているのは真鱈モリュですけど。

塩ダラを使った料理は地中海沿岸によくみられる印象がありますが、ご存知の通りタラは北方系の魚です。人類がタラを利用してきた歴史は非常に古く、かつては食料の乏しい北方の民族にとっては重要なタンパク源でありました。脂肪が少なく容易に乾燥でき、保存に好適だったので交易品としてヨーロッパ全土に広まったのでありますが、バスク人が特産の塩で漬けた塩ダラはさらに好評を博したと言われております。そんなことも影響しているのかもしれません。

要するに。

かつてmorueタラといえば、干しダラか塩ダラのことだったわけですよ。流通が発達した現代においては生のタラを区別するためにガストロノミの世界ではカビヨの語が使われているのです。wiki.fr

一説には、漁師の間では特に魚体の大きいモリュをカビヨと呼ぶという話もあります。

以上、よろしくです。

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