懲りずにケチネタ第3弾です。
けど、今日は料理のおハナシじゃありません。
桜咲く3月でございます。
しかし、今春卒業予定の学生さんには「春まだ遠し」という人も多いようですな。
なんでも就職内定率が過去最悪なんだそうな。
慢性的に人材不足の業界はいろいろあるんですがねぇ…。
「自分のやりたいことが分からない」というかたも多いと聞きます。
高校生ならともかく、4年も大学に通った後でそんなこと言ってていいんでしょうかねぇ…。
で、「とりあえず調理師の専門学校にでも行っとこうか」、と。
自分探しの旅ってやつですね。
いえいえ、よろしいんですよ、それで。
動機なんかどうでもいいんです。燃えたぎる熱い情熱なんか要りません。「なんとなく」料理の世界に足を踏み入れてみた。そしたら才能が花開いて大化けしちゃうヒトだっているんですから。
学費を工面してくれた親御さんもさぞ喜んでくれることでしょう。
ハイ、ここからが今日の本題でございます。
こちらの資料をごらんいただきましょうか。
厚生労働省 新規学校卒業就職者の就職離職状況調査結果
調理関係では卒後3年までに新規入職者の7割以上の人が去っていくんですよ。私らの世界では「歩留まり」と呼んでいますが、10人採用して2~3人しか残らないんです。
お子さんを調理師学校に行かせるためには1年制でも100万円以上かかるそうです。異郷の地に送り出すなら生活費だって相当に必要になります。それで2~3年で辞められちゃかなわんですよね。
大事なご子息のためなら100万や200万のカネなんか惜しくはないでしょう。資格があれば将来困らないだろうという親心も分かりますけどね。
ハッキリ言っちゃうと、困らないための資格なら調理師ってのは役に立ちませんよ。昔は料理人なら食いっぱぐれがないとか、ツブシが利くなんて言われてましたけど、そんなことありません。
そもそも調理スタッフとして現場で働くためには、とりあえず調理師免許なんか必要ないんですから、まず適性があるのか、その世界の水が自分に合っているのかを見極めるためにとにかく現場に入ってみたほうがいいと思うんです。調理師免許が必要な事情が生じたらそれからとる方法はあるんですから。
調理師免許を「買う」ために学校に行くというのは、時間とおカネ、どっちを取っても非効率この上ありませんな。
それよりもっと重大な問題。
調理師学校を卒業しても、現場で即戦力になるような子はほとんどいないという事実。
DQNが多いこともありますが、何も学んできてません。残念なことにそれは私たちの中ではもう“ジョーシキ”です。デキる子を見つけられたらそれは”ラッキー♪”って感じです。
親御さんにはショックでしょうが、調理師学校卒業が就職に有利に働くことはないと考えたほうがよいでしょう。
もし、お子さんが「料理人になる!」なんて言い出したら、“おカネをドブに捨てる”前に私に相談してください。(ウソですよ。真に受けないでくださいね)
コレ、少子化で学生集めに四苦八苦してる学校関係者が読んだら怒るかもしれませんが、現場からの“提言”として聞いてくださいな。
現場がこう思ってることは学校関係者の皆さんもご存知でしょうから。
入学させちまえばこっちのもの、後はほっといて次年度の学生集めに奔走する、なんて学校はないと信じてますが、カリキュラムをもっと実践重視にはできないんでしょうか?先生のデモを見るだけでできるようになりゃ苦労はないし、現場研修だって夏休みのほんの1週間だけじゃおハナシになりませんでしょ?
少数ながらこれが実現できてる学校があることは私も聞いております。
卒業したことがキャリアになるような学校を目指さないと、少子化時代を生き抜くことはできないんじゃないでしょうかね?
今日のタイトルは、「おカネをドブに捨てる」のフランスでの表現ですが、ほぼ同じですな。
「窓からおカネを捨てる」。
いらないもの(汚物とか)はなんでも窓から捨てちゃう国民ですから。(今はそんなことしませんよ、昔のハナシです)
…でも、我が辻学園は料理界の東大と言われていますし、ポール・ボキューズをはじめとする世界中の偉大なシェフたちから高い評価をもらっています!
中島くん
うん、そうだね。
その輝かしい学歴に恥じることがないよう、これから現場で遺憾なく力を発揮してください。
文章どおりです 入学させてしまえばこっちのもんて学校でしたよ 料理界の●●学園は 夢を持って入ったんですけどねぇ 個人の精神力しだいですね この世界。 かっこいい料理人同士をバトルさせるような画を描いたマスコミに踊らされた自分が悪いんですけど 本当の料理人は大変ですよね なにが本当かは見分けつけるの難しいけど
磯野様
やはり学校が特定されてしまう書き込みは好ましくないと私は思いますので、一部伏字にさせていただきました。ご了承ください。
磯野さん
>個人の精神力しだいですね この世界。
私は全く別の業界にいますが、やはりそう思います。
もしかしたら、どの世界でも、専門家として自らの知識・技術に対する対価を得て飯を食っていくというのは大変にキツイことなのかもしれませんよ。
お互い頑張りましょう。
我が息子(次男)も昨年高校卒業しましたが、ここ最近の就職難を考えると憂鬱になります。
当初IT関連の専門学校を希望していましたが、この就職難のご時世、あと2年程度(昨年から)では景気回復するとは思えず、4年生大学に入学させましたが、溢れかえる未就職者、残り3年程度では到底就職倍率が改善するわけもなく、・・・厳しいですね。(親元で囲ってとりあえず生活させるっていう選択枝は、子供の将来を考えると避けたいし)