ジビエ第2弾でございます。
日本では青首鴨と言われております。
日本語では緑色のものを「青い」と表現することはたくさんありますが、フランス語だと見たまんまです。すなわち「グリーンカラー、緑の襟」。
日本風にCol bleuにしちゃうとこれはやはり肉体労働者の意味になります。
ただし、このように美しいのはオスだけで、メスはさえない茶色一色です。
人間以外の動物界ではほとんどの場合オスのほうがきれいですな。
さて、そんなことはさておき、カモってのはご承知の通り水鳥ですから、羽毛が非常に密で抜きにくい。もうそれは鳩の比じゃありません。ウンザリします。誰かやってくださいってカンジ。
われわれ料理人がこういう作業をすることはほとんど無いんですが、たまにやると下処理をしてくれる人のありがたさをひしひしと感じます。
とくにカエルなんかはね、頭と内臓、皮を取り除いた状態で入荷しますが、これを自分でやることを考えると暗い気持ちになりますよね。食材としてはかなりお高いものですが、それもしょうがないかって思います。
このように下処理をしてあるものをパックといいます。「パックの鴨」とかね。パック詰めしてあるからと思ったら大間違い。prêt à cuireの略で、すぐに調理に取り掛かれるという意味でありました。
そんなわけでウンザリしながら羽を抜いた鴨がもうすでにメニューオンしてます。
胸はローストして「ラケ」に、モモは内臓類をファルスにした「ジャンボネットにして併せて一皿です。
あまりに面倒なので次はないカモしれません。残りわずかです!
ラケ ラッカーを塗る、すなわちてりやき状態にすること。ローストした後にヴィネガーとはちみつを煮詰めたものを塗って天火で炙ります。ウマソー。
ジャンボネット 骨付きハムみたいな状態にしたもの。レバ、心臓、砂肝で作った練り物を詰めてコンフィにしました。
出町柳の肉屋に pintade p.a.c. が売っていました。店員さんに聞いても pac の意味がわからなかったので、このサイトで勉強になりました。
お役にたてて何よりです。