いえ、今日はリスクのことではありません。
私が子供の頃、外食に連れて行ってもらえることなんかホントに数えるほどしかありませんでした。家での食事だって食べさせてもらえないものは色々ありましたよ。イカの珍味とかね。
今や居酒屋でさえ子連れの家族を見かけることは珍しくありませんね。子供を居酒屋に連れていくことが悪いって言うんじゃありません。郊外の300円居酒屋や回るすしなんかほとんどファミレスですからいいでしょう。「バカ安焼き肉」も。もともと家族連れをターゲットにしているわけだし。
ところで「焼き肉」って化学調味料すごく使ってません?「塩だれ」なんかストレートにグルタミン味だと思うんですけど。
お笑い芸人が特に好きな、高級の部類に入る焼き肉店に私も何度か行ったことがありますが、「タン塩」を塩とコショウだけで食べたいと言ったら出来ないと断られました。何故かは知りません。それ以来私は行かなくなりました。あんなものを子供に食べさせるのは食育の観点から見てもよろしくないと私は思いますが、今日はそういうことを言いたいわけでもないんです。
「大人にだけ許される場所があるべき」というのが私の今日の主張であります。
少なくとも銀座のすし屋のカウンターで6歳児の横には私は座りたくありません。イカとサバを注文した私の横で「うに、トロ、うに、トロ」を連発された日にゃあ、アナタ・・・。
店側が拒否すればいいとおっしゃいますか?
たしかにその通りですが、いつもお世話になってる常連さんから懇願されたら断れない事情もあるでしょう。
子供の社会学習のために必要ですか?
一定程度はそれも理解しますが、ランチにするとか、そのシチュエーションには配慮していただきたいと思うんです。
店の雰囲気はお客さん次第なんですよ。「ウチの子はおとなしくて行儀がいい」と皆さん異口同音におっしゃいます。(来てみたらとんでもない腕白坊主だったことは一度ならずありますが※)それは否定しませんよ。おそらくきっとその通りの良い子なんでしょう。けど、大人のかたを想定している店に子供がいるだけで店の空気がガラッと変わってしまうことをご理解いただきたいんです。
われわれ料理人は「本もの」を知っている必要があります。再構築と言おうがアレンジと言おうがオリジナルを知らなければ単なる創作です。世間で一流と言われているものがなぜ一流なのかを知ることは料理人にはとても大事なことですけど、小学生にはいらんでしょう。
「やっぱりワインはロマネコンティだよね」とおっしゃられた著名なソムリエのご子息や、「昨日の晩ご飯はキャヴィア丼」と仰せられた社長令嬢などを知っていますが、子供ってそういうことを言っちゃうもんなんです。それで恥ずかしい思いをしようが、近所づきあいが気まずくなろうがそんなことは知ったこっちゃないんですが、この子らは幸せだろうか?
大人が食べているものをよだれを垂らしながら見て、「いつか食べてみたい」というのが子供の正しい姿なんです。
そして自分で稼げるようになって、自分のお金で食べて、「こんな旨いものがこの世にあったのか!」と感動するほうが幸せじゃないですか?
子供にフォワグラを食べさせてもそんな感動はしてくれませんよ。
今、私のもとにいるスタッフは、どの店に行っても、どんなワインを飲んでも「美味しい」と言ってました。それって「幸福度」高いですよね。ところが近ごろは「ふつう」という感想が多くなってきました。仕事だからしょうがないですけど、彼は幸せなのかなぁ。と思う今日この頃です。
※サラマンジェでのことではありません。念のため。
そうですか・・・焼肉のタレには科学調味料がそんなに入っているとは。
子供に焼肉はよろしくないですね。家焼肉で自家製タレでがんばりますか!煙いけど。
勉強になりました。
金曜日に伺ったものです。初めてでしたが、シェフのブログを読んでいたので親近感がわいて言いたいことを言ってしまいすみませんでした。
ホワイトアスパラはフランスで食べたことがないので、ああいう風に茹でるのかとも思いますが、もう少し食感を残したほうが私の好みです。パンとデセールは得意ではないようですね。知り合いのイタリアンのシェフはやはり苦手できちっとした計量や手順が楽しめないと言います。
酔っぱらいのざれごとですね。
楽しい時間をありがとうございました。
また機会があれば、カワカマスのクネルを食べてみたいです。