トウモロコシの冷たいヴルテ 雲丹とキャヴィア添え
こんなことやる柄じゃねーだろってことは私自身も重々認識しております。
ちょっとね、思うところがあってやってみましたですよ。
どことは申しませんが、さる料理屋(フレンチという括りに入ってますが、私は認めたくありません)でこれと似た仕立ての料理を食べたことがあるんですよ。某口コミサイトでは4点台という人気店です。
参りました。もうね、あやうく卒倒しかけましたよ。
内地(北海道人が言うところの本州)の人たちには雲丹が嫌いって人多いですよね。 そりゃあんな雲丹食わされてりゃ嫌いになるだろって思うわけですよ。「とにかく雲丹ならいいんだろ」と思っているようなあの店や、回る寿司屋の、私には「可食性を喪っている」としか思えない雲丹を出す店が雲丹嫌いを大量発生させているに違いない。と分析するに至ったのであります。
もちろんそういうモノを流通させている「売れりゃいい」式の水産界や商社にこそ問題はあるわけですが。
私は素材至上主義ではありませんが、この手の料理は素材次第ですよね?だったらちゃんとしたものを使わなきゃまともなものができるわけねーじゃん。
だから、まともな素材で、ちゃんと仕事しました。
一皿105円が前提の回転ずしならしょうがないとあきらめもつきますけど(っていうか、絶対ハズレがわかってるから食べませんけど)、雲丹がナンボ高いったってトリュフやキャビアほどじゃないんですから、そこそこ高単価を取ってる店がそこをケチっちゃダメでしょ。
というわけで柄じゃないけど、とうもろこしと雲丹のおいしさを実感できる一皿を夏の間だけ提供することにしました。キャビアはオプションです^^;
ヴルテっていうのは、ポタージュの一種です。なんか流行っぽいので使ってみました。 けれど、語感がカッコイイって理由だけで使ってるわけじゃありません。ちゃんとヴルテです。ビロードのようになめらかです。
ヴルテ Velouté㊚ ルウ、卵黄、生クリームなどで濃度を付けたポタージュまたはソース
▶ポタージュ・ヴルテ potage velouté コンソメとルウを混ぜながら加熱してつくったヴルテに、用途に合わせた魚、肉、野菜などのピュレとコンソメを加えてつくるポタージュ。温製と冷製がある。 「フランス食の辞典」より
このエントリを読まれたかたの中にはひょっとしたらとても気分を害するかたがいるかもしれません。だってなんかヤな感じですもんね。
性格悪いな、オレ・・・って自分でも思います。
けどね、手間とコストを惜しんでいいものはできません。ってのは真理だから。
ウザいでしょうが、せめて料理はマジメに誠実にやらんとお客さん失っちゃうよ。というおせっかいなオッサンからの助言のつもりです。
「フランス食の辞典」とあるのは「フランス食の事典」の誤りです。
関係各位にお詫びして訂正します。
「我慢で時を」ですかね。本物をいただきにそちらに参りたいものです。