私のむか~しの体験を聞いてください。
その日は朝から家人とけんかをして非常に気分が悪かったんです。
朝食も摂らずに家を出たもんですから、喫茶店に入ってモーニングを注文しました。
おばあちゃんがひとりでやってる店でした。出てきたものはふつうです。「料理」と呼べるほどのものではない。
ほかに客はいなくて、何かと話し掛けてくるそのおばあちゃんがウザったくてしょうがなかったんです。「はぁ」とか「そぉ」とかいいかげんな相づちをうってやり過ごしてました。
窓の外を眺めながらコーヒーを飲んでいたら、「よかったらつまんでちょうだい」って言いながら何かを出してくれた。それがなんだったかは思い出せません。ただ、およそ喫茶店には似つかわしくない、そのおばあちゃんが作ったお惣菜でした。
おいしかった。
そのときの私は機嫌の悪いイヤな客だったはずです。
それまでの自分の態度を悔いました。
そして恥ずかしかった。
「ばあちゃん、うまいね、これ」
そう言って店を出ました。入ったときとは正反対の晴れやかな気分で。
<感動>
そう、あのときの気持ちはほかの言葉では言い表せない。
以前、私は「サーヴィスには技術が必要だ」と書きました。
今でもそう思ってます。
しかし、技術だけでは人を「感動」させることはできないことも知ってるつもりです。おそらく「ホスピタリティー」なんて言葉は知らないであろうあのおばあちゃんに教わりましたから。
世にたくさんあるレストランで働く人たちもまた、みんな “どんなお客様であれ温かく迎えてくれて、そして心のこもった料理を”提供する店にしたいと思って日々がんばっているんです。
意識の低いレストランに対しては批判をすることも必要ですが、レストランを消費財としか見ていないような「レストラン評論家」の意見に右往左往するのはもうやめませんか?
人の嗜好はさまざまです。「おいしい」「まずい」は所詮主観によるものでしかないんです。
だとするなら、すべての人にとって「いい店」なんかあるはずがない。
その店が主張するものをあなたが受け入れるかどうかということです。
私たちはお客さまを選べない。が、来てくれた方には精一杯のおもてなしをしたいと思っています。
ですから、ご自分の嗜好にあったお店を選んでください。波長の合う店を選んでください。
その波長が合ったときにしか、「感動」は訪れないんだと思います。
まちゃさま。
このブログを読んでいただいていること。そしてご意見をお寄せいただいたことに心より感謝しております。
生意気ばかり言うオヤジシェフですが、今後ともよろしくお願いいたします。
草々
オヤジシェフさま
貴重なお話ありがとうございます。
>その波長が合ったときにしか、「感動」は訪れないんだと思います。
⇒その通りだと思います。お店が良い波長をだせば
お客さんも良い波長の人が集まります。嫌な波長を出せば嫌な波長の人が集まります。なぜなら波長が合わない人は一度訪れて合わないともう二度とこないからです。偉そうな文章で本当申し訳ありません。ただオヤジシェフさんの熱い魂がすごく伝わってくるのに、誤解される方がいらしゃいそうな気がしたので余計なお世話な文を書かせていただきました。
一フアンとして応援しております。
東京に行く用事があるとき、さりげなく寄らせていただきます。ちなみに私は一般人ですので評論家でもなければ記者でも無いです。
これからも楽しくて元気になる記事を楽しみにしております。
まちゃ
>その波長が合ったときにしか、「感動」は訪れないんだと思います。
⇒その通りだと思います。お店が良い波長をだせば
お客さんも良い波長の人が集まります。嫌な波長を出せば嫌な波長の人が集まります。なぜなら波長が合わない人は一度訪れて合わないともう二度とこないからです。
オヤジシェフさんとまちゃさんのいうとおりですね。こんな温かいコメントをくれる方が見方についてくれているのは、シェフは幸せだなと思います。レストランで働く人を支えてくれるのは、お客さんを含めたこういう仲間といえる人たちです。
相手のことを本当に考えてしたサーヴィスって、実はとっても難しいこと。まちゃさんのような機嫌の悪い人が幸せな気分になるサーヴィスが提供できるお店を作っていきたいです。
リパイユ・エクスキーズさま
努力はいつか報われる日が来ます。
がんばってください。
ちなみにまちゃさんは別に不機嫌ではありません。
オヤジシェフさま
フォローありがとうございます。自分で書こうか迷ってました。
オヤジシェフ様
まちゃ様
まちゃさん、せっかくいいお話を聞かせていただいたのに、不快な気分にさせてすみません。
「機嫌の悪い人が幸せな気分になる、まちゃさんのようなサーヴィス」ということが言いたかったのですが、読み直したら、確かに、「まちゃさんが不機嫌」になってました・・・
大変失礼しました。