銀座フレンチ サラマンジェ

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このところ話題の 「俺の・・・」コーポレーションに対抗心を燃やしているわけではありません。
だってあのプロモーションのオリジナルは「俺」だもん。いや、違うかもしれないけど。

 

2013-01-24 23.01.23

 

オーダーして作ってもらったこのガスレンジのことです。

ボクらは普通「ストーブ」って言ってますけどね。
昔はホントにストーブを使ってた時代があるとかないとか。

海の向こうではピアノって言うんですよ。ちょっと気取ってますよね。
「このピアノで誰もがうっとりするような料理を紡ぎだしてやるぜっ」みたいな?

ま、そんなハナシはひとまずわきにおいて。

 

料理人なら一目見てわかることですが、コレ、すんげぇレトロ仕様であります。

いまどきガス管が外に出てるタイプにはあまりお目にかかりませんし、サーモスタットも立ち消え防止機能も電子着火も、もちろんコンベクション機能なんかあるワケない。とにかくハイテク(?)は何一つ装備されてません。けれどそれでいいんです。さらに可能な限り大きいヒートトップを、という要望を叶えてくれるのは注文製作しかなかったのです。

いやね、ただ懐古趣味でこんなことしてるんじゃないのですよ。オーブンコントロールがマイコン制御ってのは結局のところ火がついてるか消えてるかのどっちかなんです。ず〜っと一定の火力で一定の温度を維持するってことができない。最先端のストーブは上のコンロも火力の微調整ができなかったりします。強火・中火・弱火みたいな。そんなのプロに対して失礼だろっって思うのよ。時代についてゆけないオッサンの負け惜しみと言うなら言ってくださいな。そんなの全然悔しくないから。

実際若い衆はこのストーブに手こずってますよ。だけどね、職人なんだから体で覚えなきゃ。ダイヤルの目盛りを読むんじゃなくて五感を総動員して感じ取らなきゃ。そうでしょ?

 

そうやって経験値を積み上げていかなきゃボスキャラにはなれないよ。

 

いやぁ、サラマンジェっていい職場だわ、ホント。って思ってるのはシェフだけなんだけど。

ウチ、コーヒーマシンもマニュアルなんで、いつも同じコーヒーを出すのはなかなかむずかしいです。レバーを嵌めるときの手から伝わる感覚で判断しなきゃならない。ある意味バロメーターとしての役割を果たしてます。その時々の違いに気づかないほどに乏しい感性しか持ち合わせていないなら料理人はムリという。

・・・・・

キツいね。

ま、そんなウザい話は今日のところはここらへんで勘弁してあげます。

実際にその目で見たい方はどうぞ「カウンター指定」で見に来てください。今度のカウンターは以前にも増してとてもエキサイティングになってますから。

 

まさにシェフズテーブルです。

私は「リングサイド」と呼んでますけど。

いろんなものが飛んでくる可能性もありますので、そこは十分にご留意ください。

 

1件のフィードバック

  1. マニュアル、素敵ですね。ここから出来上がるお料理、また頂きに伺います

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