銀座フレンチ サラマンジェ

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あの、石川遼君がマスターズに出るそうですよ。
すごいじゃないですか。まだ17歳ですよ。
なんでも「特別招待選手」として出場するそうです。
出たくても出られないプロ選手はたくさんいるのにね。

遼君、記者会見でこう言ってます。

「順位の目標を口にするのは失礼と思う」
「自分の打ち方でプレーして、通用しないことを知るのも財産」

いやぁ、恐れ入りました。17歳でこんなことが言えるんですね。
私の17歳の頃なんかとは比べ物にもなりませんですよ。

謙虚で素直、明るくて元気いっぱい。だのに周囲への気配りも忘れない。まさに理想を絵にかいたような好青年じゃないですか。
どんな大人になるんですかね。
今が人生のピークじゃなきゃいいんですが…。おっと、また余計な事を言っちゃいました。

私が今まで見てきた若い男の子たちは概して意思表示がヘタ。
何を言っても「はぁ…」っていう返事しか返ってこない。分かったのか分からないのかすら分からない。ましてや自分の意見をまともに言える子なんか滅多にいません。なんでだろうね。

遼君に限らず、何かに秀でたものを持って世に出てくる若い人たちって、共通してコミュニケーション能力も高いですよね。周りの大人たちとちゃんとした受け答えができるのって、これも一つの才能だよなって思います。天は二物も三物も与えるんですな。

遼君、さらにこんなことも。世界で戦うために必要なことは?の問いに
「一番(重要なの)は言葉だと思う。英語が理解できなければ必要な情報が入らない」
いやホント。これってね、大事なことですよ。
ワタクシ、フランスで痛感してきました。

フランス料理のシェフと呼ばれてる人たちの経歴を見ると、ほとんどの人がフランスの有名店で修業したキャリアを持ってます。
もうそれは「当たり前」のような時代になりました。
もちろん純粋に本場の料理を身につけたい、という熱い情熱をもって皆さん出かけるわけですが、商売のことを考えると、「フランス帰り」はメディアも取り上げやすいし、お客さんの信頼も得易いわけで、だからホテルでは会社の経費で社員料理人を送り込んで三ツ星ばかり短期間でハシゴさせる、なんてことも当たり前に行われています。
「ハク付け」のために行って、ほとんど見学状態で帰ってきても「フランスで修業」してきた“実績”があるって人も少なからずいるんですよ。それが悪いとも思いませんがね。
将来オーナーシェフを目指す人にとって、フランス行きは今や必修科目ですな。

そんな「ハク付け」組の人たちからよく聞くのは、
「いじめられた」
「掃除しかさせてもらえない」
「アイツらは人種差別をする」

それはさぞお辛かったでしょうね。ご同情申し上げます。
けどね、その現場を見たわけじゃないのであくまで推測ですが、
私が思うに、コミュニケーションが取れてなかったんじゃないの?って思うんですよ。

料理人はいろんな店で経験を積むのも修業のうちなので、数年のサイクルで店を移るわけですが、新しい職場に入ったらそこの人たちを理解すること、自分を理解してもらうことは大事なことでしょ?
そのためには自分から働きかける努力をするでしょう。それは日本もフランスも同じだと思うんですよ。
フランスで聞いた話ですが、ただ後ろ手を組んで立ってるだけ、まかないの時も何もしゃべらない日本人はときどきいるそうです。
それじゃあね、しょうがないんじゃないの?
アチラだって稼働してる調理場なんですよ。ロクスッポ言葉の通じないガイジンが居たら邪魔くさいだけってのは容易に想像できましょうよ。

若い皆さん。コミュニケーション、ホント、大事です。
これからフランス行きを考えているなら、フランス語、しっかり勉強してください。(その前に日本語もね)
私の場合は根がラテンですから、ほとんどできないまま行きました。そして泣きました。ホントですよ。

実はウチの相棒のタケ君がこの春からフランスへ行く予定です。
もともとフランス語はできますが、さらに磨きをかけるために教室に通ってます。
つい先日サロン・デュ・ショコラのために来日したムッシュ ジャンポール エヴァンからも「フランス語を勉強せよ」とハッパをかけられておりましたですよ。

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私事で恐縮ですが、エスコフィエ協会の会報「エスコフィエ通信VOL.42」に、私のフランス研修についてのインタビュー記事が載ってます。
一般の方が目にすることはまずありませんが、興味のある方はエスコフィエ協会のホームページから見ることができます。

→右のサイドバー、「日仏料理協会」にはうちのスタッフが通っているフランス語教室の情報もあります。通信講座もあるので遠方の方でもダイジョーブ。
ぜひご活用ください!

9件のフィードバック

  1. タケ君、フランスへの旅立ち、おめでとうございます。
    タケ君の暖かいサービスはサラマンジェの料理と並ぶ楽しみでありました。
    お店のオープンから現在に至るまでの経験は、素晴らしい宝物だと思います。
    サラマンジェ魂でフランスでご活躍される事を心からお祈りしております。
    そしてタケ君がいなくなった後も、サラマンジェがさらに素敵なお店になる事を楽しみにしております♪
    とりあえず、オニグラ食べに行かなくっちゃ(笑)!

  2. keimu 様
    ありがとうございます。
    気合が入りました!
    フランス行ってきます!
    オニグラあつあつでお待ちしております。

  3. 言葉を知る=その国の文化・歴史を知る
    ということは、その国の料理を学ぶ上でも
    非常に重要だと思います。
    また近々お店に伺いたいです。

  4. 脇坂さん、ブログに日仏料理協会を紹介してくれてありがとうございます。
    フランス料理に関わる仕事をしている皆さん、本当に言葉は大切です。フランス行きを考えているのならなおさらです。
    言葉を覚えるにはとにかくいつもそれに触れていることが大切ですから、 まずはフランス語学院に見学あるいは体験入学に来てみてください。
    通えない人は通信講座もあります。
    ところで、町筋君、フランス行きは決定したのですか?

  5. 宇田川 様
    はい、そーなんです。ご連絡が遅くなりまして失礼致しました。  
    先日、大使館よりビザの申請許可通知がとどきました。 ご心配おかけしました。

  6. keimuさま
    HIROCCIさま
    温かい励ましのお言葉、ありがとうございます。
    修業を終えて帰国したのち、いずれは彼も自分の店を持つことでしょう。
    そのあかつきにはサラマンジェ共々(ここが一番大事なとこですが)、彼の店もどうかひいきにしてやってください。
    *****************************
    いやぁ、宇田川先生からコメントをいただけるなんて恐縮至極でございます。
    さらに「フランス料理あれこれ」がブログになってる事を知った私は驚愕しております。
    このところタケ君が教室に行かないのは、これから先方とやり取りするための仏文メールを添削してもらおうという魂胆でチケットを温存しているのですよ。叱ってやってくださいまし。

  7. 町筋様
    ビザが取れてよかったですね。
    H先生が「相手に伝えようとする気持ちが強いから、とってもよくできる!!」とほめていましたよ。
    今、リヨン・横浜交流会の会員であるRitsukoさんが、
    ワーキングホリデーでLyonに行っています。
    Salle a mangerにも何度か行ったことがあると
    言っていたのですが、ご存知ですか?
    彼女のブログには、Lyonのブーションやレストラン、
    ボキューズ・ドールなどの情報が満載ですので、
    一度みてみてください。
    http://d.hatena.ne.jp/baies_0904/
    また、町筋さんの興味のあるお店があれば教えてもらえますか?
    料理人からみた魅力ある店を、Ritsukoさんから
    日本の皆さんへ紹介してもらいたいので・・・
    Bon courage!!

  8. リパイユ 様
    ありがとうございます。
    Ritsukoさんのブログ拝見させていただきました。
    Lyonの町について詳しくしらないのですが、是非街中の小さなシャルキュトリ、ブーシュリ、フロマージュリ(クレムリ)などを紹介して頂きたいなと思います。

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