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もう十年以上も前に「古い書物には大きなトリュフに詰め物をする料理がある」と書いたことがあるんですが、最近になって「具体的にどんな料理か」とご質問をいただきましたのでここでお伝えしますね。

エスコフィエ「料理の手引き」ジビエの章、ウズラの項目のCailles Lucullus カイユ リュキュリュスというのがまさにそれです。

以下ルセット
大きなトリュフをマデラワインかシャンパーニュで煮て二つに切り(転がらないようにするため)底をすこし切り取って中をスプーンでくりぬく。
ウズラの骨を抜き、卵黄でつないだジビエのファルス(練り物)に燃やしたフィヌ・シャンパーニュを加えたトリュフの中身を混ぜたものを詰める。
これを布でくるんでひもでしっかり縛りきれいな球形に整えフォン(だし汁)で煮る。
煮汁から取り出しすこし冷ましたら布を外してトリュフの殻に詰めて、ウズラから取った香り高い液体を加えたソースドゥミグラスを塗って(高温のオーブンに入れるなどして)照りを付け、ソースを流した皿に盛りつける。 ー引用終わり。かっこ内は脇坂による補足。

トリュフについては「大きな」としか書いてませんが、ウズラを一羽丸ごと入れるわけですからおそらく直径10㎝くらいのものでしょう。
今はトリュフのシーズンではありませんけど、時期になれば微レ存レベルで発掘される可能性はあるかもしれません。

そんなサイズのトリュフが手に入るのか?手に入ったとして普通サイズのトリュフと同じ程度の単価なのか?
いろいろと不明すぎますが、同単価と仮定してざっくり計算してみますと40万円くらい頂戴すればやれそうです(笑)
エスコフィエの時代にすでに「現代的でない」と注釈がついてる料理ですが、もし注文したいとおっしゃる好事家がいればやりましょ。

トリュフ一個で二人前ですからおひとり20マン。ご予約をお待ちしておりますよ♪

1件のフィードバック

  1. ちなみに現訳書ではファルスに加えるのはコニャックと書かれていますが、原書は初版からフィヌ・シャンパーニュとなっています。
    監修者による校閲か単なる誤訳かはわかりませんが、コニャックのほうがふさわしい気もします。ブドウを原料としたブランデーに対する日本人の理解、そこら辺を踏まえて書き換えたなら優秀な監修者だったのかもしれません。
    いや、シャンパーニュと書かれているものを訳注も付けずにコニャックと書き換えることが優秀な監修者か、と問われれば「?」ではありますね。
    フィヌ・シャンパーニュがオ・ド・ヴィ(蒸留酒)であることを認識していない読者のための配慮なのかもしれぬ。

    とにかく現訳書には問題が多い

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