私なんかはコンソメって聞くと、手間がかかる、コストもかかる、高級ポタージュっていうイメージなんですがね、どうも世間の皆さんのイメージはちょっと違うようで。
洋食屋さんのランチについてくるカップスープ。安いイメージ。だからフレンチのディナーに出てくるとがっかり…。
あなたもそうですか?
ま、クノールやハインツががんばってくれたおかげで、安くて簡単にできるインスタントコンソメが大量に出回ってますからね。しょうがないか…。
しかしね、まじめに作るとこんなに金のかかるポタージュもないんですよ。
「国産交雑牛枝スネ(友)」14kg。
これをソウジ(脂や筋、骨を取り除くこと)して肉だけにすると大体5kgくらいになっちゃいます。
ぶっちゃけたハナシ、キロ、1100円するんですわ、コレ。ってことは骨も1100円。出来上がるコンソメは約5リットル。計算してみてください。
骨は骨だけで買えばキロ150円くらいです。
じゃ、何でそんなことするのか。
今はね、プロの現場でもインスタントを使うことが多くて、こういう仕事をすることはどんどん少なくなってきてるんです。
骨付きのスネ一本と水からおいしいコンソメができるって事を、若い人に見せてあげたいんです。えらいね、ボク…。
そうやってできたコンソメを、ウチではオニオングラタンスープにしてます。
コレがまた手間がかかるんだ。5リットルのコンソメに約5キロのたまねぎが入ります。炒めること10時間。たまねぎはあめ色になって重さでいうと10分の1になります。コンビニで売ってるオニオングラタンスープとはワケが違いますぜ。
ウチの店では1000円で売ってます。ハッキリ言って儲け、ありません。
レストランで出てくるひと皿ひと皿の料理には、そういう料理人の仕事がぎっしり詰まってるってことにも思いを致して頂ければ、料理がよりいっそうおいしくなりますよ。料理人にも励みになりますしね。
そういう人のことをガストロノム(Gastronome 美食家)というんですな。
グルマン(日本語ではグルメ?)も同じように使われますが、どちらかといえば食いしん坊。「必ずしも美食家とは限らない」と、辞書の注釈にはあります。
あなたはどちらを目指しますか?
はじめまして!
先月からちょこちょこお邪魔してるものです。
漢の粋さんでサラマンジェさんを知りました。私のブログの記事中でこちらをリンクしたので、ご報告方々‥
>骨付きのスネ一本と水からおいしいコンソメができるって事を、若い人に見せてあげたいんです。
凄い!しびれました‥ 笑い
私的に上京する際には一番伺いたいお店です♪
これからも頑張ってください!
日曜夜にお伺いした者です。
オニグラ、単なるコンソメの領域を超えてました!
こちらを読んで改めて、吸い込まれるように口の中に入っていった
スープの奥深さに感動しました。
私はまだまだうら若き食いしん坊ですが、
また近いうちにお邪魔させてください。
金曜に伺い、大食いした挙句に傘を忘れて帰った者です。
ただひたすら「美味しい美味しい」と大騒ぎして失礼いたしました。
次回は是非、オニオングラタンスープを頂きたいと、連れ共々目論んでおりますのでどうぞよろしくお願い致します。
きっとまた騒ぎながら「まだ食べられるの?」な状況を繰り広げるかと思いますが、『美味しいものに対しての胃袋は底なし』という事にしていただければ幸いです。
(あ、その際は忘れた傘を必ず持ち帰るつもりでおります。ホントに。)