昨日は尻切れトンボでスミマセンデシタ。
では、さっそくつづきを。
その前に、昨日アップした分量、少し間違ってたので訂正しておきました。ヨロシク。
ミンチにした背脂とたまねぎ、にんにくを手鍋にいれてソテします。
←こんな状態まで。当然脂が大量に浮いてます。
ここにでん粉を水で溶いて、生クリーム100cc(分量内)を加えたものを入れてリエします。
火を入れて完全に糊化させてください。このとき、脂が浮いていてもダイジョウブ。
でん粉は劣化温度が低い物の方がよいです。簡単に手に入るものとしては、タピオカスターチなんかがいいと思います。
でん粉を血でといて加えるというルセットもありますが、その場合は糊化温度が低い片栗粉(本来カタクリの根から抽出したでん粉のことですが、現在片栗粉の名で売られているものはジャガイモでん粉です)を使うべきですが、塩によって糊化温度が変化する、低温での安定性が悪いなどの欠点もあります。コーンスターチの糊化温度は86,2℃ですから、最後のボイルの段階でも糊化温度に達しません。万全を期すためにもこの段階で火を入れてください。
コレを、ボールに入れた冷たい生クリームにホイッパーで混ぜながら加えていきます。
ここ、ポイントです。ここで完全にエマルジョンにすること。
ちゃんとつながればマヨネーズのようにもったりしてきます。
このときの温度は約50℃。もし温度が低いようならボールの底をあぶって温めます。決して温めすぎないように。エマルジョンが壊れます。アセゾネ(味付け)もこの段階で。
ぬるま湯で戻しておいた豚腸を水道の蛇口につないで水を通し、穴がないことを確認します。ミクロの穴なら無視。大きいときはそこで切っちゃってください。
中にたまった水を指でしごくようにして取り除きます。
端をきっちり縛って、反対側を漏斗にかぶせます。
もし、あなたの相棒が例のおバカな子なら、コレはご自身で確認すること。きっちり結んだつもりでも結び方がゆるいとあとで大変なことになります。あたり一面血の海、まるで映画「キャリー」並の惨劇になっちゃいます。コレまでの苦労も水の泡…。(あの映画の血をかぶるシーン、本物の豚の血なんですってよ)
豚の血は屠場の職員の方に頼んでとってもらうので、何が入ってるかわかりませんから、必ず濾しておきましょう。
血の半分を先のエマルジョンに混ぜながら加え、残りの血の方へ全部入れます。
ここで味見をするわけですが、血にはまだ火が入ってませんから吐き出してうがいをしたほうが無難でしょう。まれに肝炎ウィルスに感染してることもないとはいえませんから。そんなことで肝炎になってもきっと労災は認定されないと思いますよ。ちなみに私は吐き出したりしませんけど、今のところダイジョウブみたい。ウチのタケはどうもダメらしいです。
ここからは急いで。エマルジョンになってますから、温度が下がるとラードが固まってきます。
漏斗にどんどん流し込んでいきます。(写真、なくてゴメン)
←腸に流し終わった状態。
大きななべにお湯を沸かして、80℃で25分ほどゆでます。
串で刺してみて赤い血が出なければ出来上がり。
冷水で冷まします。
できあがり。すのこの上に載せて冷蔵庫で一晩乾燥させてください。
コレをどういう料理にするかはあなた次第。
あなたの店がアバを売り物にしてるか、ムニュに無理やり突っ込まない限りそのままじゃまず売れません。もし主要顧客が「有閑マダム」っていう店なら、間違いなく苦情が出るでしょう。(勇敢マダム」ならいいんですけどね)
イマジネーションはたらかせていろいろチャレンジしてみてください。
まとめ。
とにかくポイントは「エマルジョン」です。ここさえおさえれば鍋ひとつで出来ます。うまく出来れば冷凍してもボソボソになりません。
血は屠場に顔の利く肉屋さんと付き合いがなければ手に入れるのがちょっと大変かも。もしツテがなくてお困りならご紹介します。メールでね。
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