ワインに力を入れているレストランなら皆さんやられていると思いますが、サラマンジェでもワイン用の倉庫を借りています。場所は同じビルの4F。事務所用の物件ですが、壁を全部ウレタンフォームとグラスウールで覆ってエアコンで湿度・温度を管理しております。
スチールラックに積んでありました。在庫は約1000本くらいはあったでしょうか。
もちろん地震対策はしていましたけど、もし震度5クラスが来たら全滅だろうな、という覚悟はしていたんです。というかそんな地震は来ないとたかをくくっていたというのが正直なところです。
それが現実になる日がこんな早くに来るとはねぇ・・・。
全部倒壊しました。正確な数字は今となってはもうわかりませんが、100本くらい割れました。
おまけに流れ出たワインが隣の事務所にまで浸み出して、カーペットを張り替える羽目に。保険は地震をカバーしないタイプだったので全部自腹です。泣けます・・・。
けど、いいんです。どうせ支払いは終わってますし、ワインはまた買えばいいんですから。失ったものがおカネで買えるものならそれはラッキーだったってことです。それよりもお客さんがなかなか戻ってきてくれないことのほうが私たちにとっては苦しいのですよ。
被災ワインにはこんなものもありましたです。
ネックだけが飛んだシャンベルタン グランクリュは我々の賄いワインになりました。
ウマかったなぁ、ため息が出るほどに。
ま、これだけの大惨事ですから、破損が一割ならこれもラッキーなほうですな。
で、残りの九割は破損は免れたとはいえ、エチケットは当然汚れてしまいました。
そこでお願いでございます。
しばらくのあいだ、エチケット不良のワインが出てくることがあります。ラベルコレクターのかたには誠に申し訳ありません。もちろん中身に問題がある時はお取り換えしますが、それ以外は生き延びたワインへのオマージュ(?)としてお赦しを頂きたいのです。
いや考え方を変えれば汚れたエチケットも、3・11のモニュメントとしてコレクションの価値があるんじゃないですか?ないですか、そうですか。
とにかく、じゃんじゃん来て、じゃんじゃん飲んでくださいまし。それが私の願いでございます。
最初にこのこと書けば、私も皆さんも駆け付けたのでは??
エチケットの汚れを気にしてクレームつけるタイプのお客様はそもそもサラマンジェには足を運ばないのでは?
早めにお知らせすれば、お客さん駆けつけたと思いますよ~~。
ラベルは色んな意味で記念になりますもんね。いいことも悪いことも、後になって思い出せるのは素敵なことだと思います。
最初に伺っていれば私も駆けつけて居りました!
上京の折りにはこれからも楽しみに参ります。