東京都内、全部かどうかわかりませんが、ウチの店の近所では夕方5時になると、電柱の上のスピーカーから(昔の防災無線みたいに)「夕焼け小焼け」のメロディーが流れます。
これが鳴ると「さあ、今日もがんばるか」っていう気分にさせてくれて重宝してます。
昨日のこと。
5時5分。「夕焼け小焼け」の直後です。
階段の途中で「店長さん、まだいますかぁ」と、おっきな声で言ってる人がいる。
けど、店には入ってこない。
「まだいますよ。どうぞ」と声をかけてやっと現れたのは貧相な(ゴメンね)オヤジというよりじーちゃん。
「今、この辺の案内マップを作ってるんだけどぉ~、名前入れるだけならタダで入れさしてもらってるんですぅ」。
「で?」(うさんくさいなぁ…)
「大体置かしてもらってるのはホテルさんなんかが多くて…、この辺は和食の店ばっかりでコチラさんみたいな洋食さんにも…、ところでコチラさんはナニ料理ですか?…(長くなるので以下、省略)」
「で、何をすればいいんですか?」
「6千円出してもらったら店名大きく入れて、裏に広告も入れます。ウチはこれでぜんぜん儲け、ないんですけど、中には100枚パウチして持って来いって言うお客さんもいて…(中略)チラシ撒きのアルバイトの人件費だけでやらしてもらってますんで…(以下省略)」
ほらね、そうでしょ。結局お金のかかるハナシなのよね、この手のハナシって。
要するに、アレですよ、観光地の旅館なんかに行くと置いてある「散策マップ」みたいなやつ。この周辺の飲食店の案内マップってことのようです。それをビジネスホテルとかに買ってもらってナンボの商売みたい。
早いとこ、お引取り願いましょ。って思いながら聞いてたんです。
けど、このじーちゃんのとてつもなくわかりにくい説明と、しかしながらの一所懸命さにホダされてついつい契約しちゃいました。人のよさそうなじーちゃんだったので。営業って、やっぱ、人柄だよねぇ…。
悪い話でもないんですよ。5千枚刷って、年十回街頭で撒いてくれるって言うんですから、相場からいったらメチャ安ですよ、これ。普通、版下作るだけでもっとかかりますから。おまけにチラシ撒きから開放されるんならこんないい話はないですよね?だまされてる?ボク…。
「じゃ、精一杯目立つように作ってきますんで…」と去っていったあのじーさん、私は信じてます…。