旧「オヤジのフレンチ」

続 「グラン・メゾン」についての考察

このところ「グランメゾン」で検索してこのブログにお越しになる方がとても多いんです。実はこのブログのアクセス数No,1なのがこのエントリなのです。

試みにグーグル先生に「グランメゾン」について質問してみると、このエントリがまっ先に表示されることが分かりまして、こんな一介の料理人の怪しげな仮説をばら撒いていることを知って恐縮しております。

恐縮ついでにもう一度言いますが、「グランメゾン」という表現はやっぱり気持ち悪いです。どうしてもそう言わせたいなら、grand’ maisonとでもするべきでしょうが、仏語としてはこれも「ない」と私の知己のある学者先生は断言されています。

とはいえ、なんにでも例外はあるわけで、たとえばgrand-mère(祖母)、grand-croix(大十字章)、Grand-Chambre(大法廷)等々。いずれも女性名詞です。けれどこれらは二つの単語をくっつけてできたひとつの単語なわけで、だから「グランメゾン」もアリだ、という論証にはなり得ない。

けれど、grand maisonで検索をかければ仏語のページがワラワラ出てきますから、絶対にないなどと断言はできないわけで、「決定的な間違い」と述べたことについては別のエントリで撤回・謝罪をいたしましたが、正しくないことに変わりはないのであります。何人ものフランス人に聞き取り調査もしましたけど、答えは100%「ない」でした。

そもそも高級レストランの意味で”grande maison”と表現することすらないのでは?という問いにはもうすでに結論は出ている。と申し上げます。一般的な会話の中で出ることはまれであってもあるのです。同じ意味で用いられるものとしてgrande tableも然り。

一度定着したコトバは「間違っている」とどんなに高名な学者さんが叫んでもなくなることはないでしょうし、まして私の主張なんかすべての日本人にとってどうでもいいことではありますが、ワタクシとしてはやっぱり気持ち悪いので今後も「グランド・メゾン」で押し通す予定(笑)であることを宣言します。

「グランメゾン」で検索される方の目的が何であるのかまでは分かりませんが、グラン?グランド?と疑問を感じている方には、ぜひ「グランド・メゾン」を採用してください。と申し上げます。

以上、どうでもいい「中年の主張」を終わります。

7 Responses to “続 「グラン・メゾン」についての考察”

  1. 匿名 2016年7月25日 at 19:34 # 返信

    good!

    • admin 2016年7月25日 at 19:57 # 返信

      good

  2. 匿名 2016年7月26日 at 00:03 # 返信

    どうでもいい話だわ

  3. Britty 2016年9月3日 at 14:56 # 返信

    あるテレビ番組で偶然に目にして、猛烈な違和感に翌日検索をかけてこのブログにたどりついた来訪者です。同じような経緯の方は他にもいるかと。
    前エントリでの[nd]+[m]を日本人が聞きなすと間の[d]が落ちて聞こえやすい、という御説には説得力があります。日本人は子音の連続を聞くのが不得手ですから。

    • chef 2016年9月3日 at 22:32 # 返信

      コメントをありがとうございます。
      フレンチ関係者でも「グランメゾン」を使う人はたくさんおりまして、もう無理だなと諦観しております。ま、さして重大な問題でもありませんから、そこに執着する必要もないのかな、と近頃は思っております。

  4. sho 2016年12月11日 at 20:04 # 返信

    フランス語学習中に興味深いブログを見つけまして、、

    http://ecole.kikounette.biz/approfondir/etymologie/grandmre.html
    ついでに
    http://ecole.kikounette.biz/approfondir/etymologie/maison.html

    男女同形の名残である可能性はどうでしょうか?
    この方の読んだ辞典の編纂者にまでたどり着ければ、あるいは謎が解けるかも知れません。

    • chef 2016年12月12日 at 13:00 # 返信

      コメントをありがとうございます。
      私の持ってる辞書(小学館ロベール仏和大辞典)にも同趣旨のことが書いてあります。
      grand-という形をとるとも。つまり一つの単語として扱うということです。

      日本人が「グランメゾン」と書いたり発語したりするのは単なる誤解と思いますけどね。
      仏語を学習する身としてはやっぱり気になりますよね。

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