旧「オヤジのフレンチ」

“ル ギード キュリネール”新訳出版の意義

 

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“Le guide culinaire―料理の手引き” は1903年に刊行された、現代フランス料理の父ともいわれるA.エスコフィエらによるフランス調理技術の集大成です。100年以上を経た今もなおバイブルのように読み継がれ、その有用性は些かも色あせることはありません。

最大の特徴はそれまで個々に語り伝えられてきた調理技術を体系化することによって、料理人の理解を助け、結果としてフランス料理の発展に大きく寄与した点が挙げられます。

エスコフィエがこの書物を著した目的を序文から引きます。

この本はまだ、私がかつて夢見たとおりの仕上りにはなっていません。いつかそのとおりの仕上りにしなければなりませんが、このままでも同業者の皆さんにはとても役立つものだと思っています。この本を役立ててほしいという目的で、誰にでも、とくにお金のない人達にも買ってもらえる値段にしました。というのも、私がこの本で主な対象としているのは若い人達なのです。いまは初学者ですが、20年後には我々の業界のトップになる人達なのですから。

フランス料理を生業とする我々にとって、偉大な先人が遺してくれたこの言葉は感動的ですらあります。

しかしながら、1969年に出版された現行の邦訳版はエスコフィエが嫌った「書棚に飾っておくような本」であることは残念でなりません。

また、今とは時代が違うとはいえ表現が堅苦しく難解であるだけでなく、誤訳を指摘されている個所も多々あることから、より平易な文体で、料理人を志望する若者の実用に堪える<新訳>を出版することは、日本にフランス料理を伝えた先輩たちが引退しつつある今、偉大な遺産を次の世代に伝えてゆくためにも急務であろうと考えます。

とはいえ、残念なことにこの類の本は需要がとても少ないのが現実です。

どんなに高邁な理念を掲げても“売れなきゃお話にならない”のです。出版社が二の足を踏むのもむべなるかな。

そこで料理人はもとより、飲食関係者の皆様のお力をお借りしたいのです。

新訳出版を目標に3年に亘って取り組んできたところですが、ここにきて「お蔵入り」の危機に瀕しております。出版業も収益性が求められることは当然のことではありますが、経済的な理由でこの計画が頓挫するならそれは後世に重大な禍根を残すとさえ言えるでしょう。(もしかして白馬の王子様が現れれば問題はすべて解決ですが)。

「いいね」「シェア」をぽちっとしていただくだけでいいのです。このプロジェクトが多くのかたの目に留まり、賛同していただけるかたが少しでも増えれば出版社との交渉も説得力を増します。もちろん賛同のコメントを頂けたならこれ以上心強いことはございません。

どうかよろしくお願い申し上げます。

2013年12月  サラマンジェ 脇坂尚

 

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One Response to ““ル ギード キュリネール”新訳出版の意義”

  1. 吉沢幸夫 2013年12月11日 at 15:14 # 返信

    eBOOKで出すことも考えてみたらいかがでしょう。

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