旧「オヤジのフレンチ」

アンゼリカ 或いはAngélique

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先日、あるお客さまから「ヌガー・グラセが食べたい」というリクエストをいただきました。

いや、ビックリですな。
イマドキそんな古臭いデザートが食べたいなんてことを言うヒトがいるってことが。
ヌガー・グラセといえば売れないデザートの代表選手みたいなもんですから。

けどワタクシ的にはこのリクエスト、かなりビビっ!ときましたよ。キンセンに触れたといいましょうか…。
「カルパッチョみたいなものはないの?」とか、「野菜の料理を…」なんていうご要望はスルーしちゃう私ですが、これには「イッチョ、やったろかい」という気にさせられましたですよ。

古臭い、埋もれてしまった、だれも見向きもしない料理に光を当てるのはサラマンジェの使命である!という崇高な志を持つワタクシでございますから、早速やってみました。

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ヌガーというと、いろいろなナッツ類を飴で固めたお菓子ですが、「甘い!」「歯にくっつく」ということであまり評判は芳しくないですな。「歯を折った」というかたもいらっしゃいました。
そんなイメージのせいでヌガー・グラセもレストランでは人気のないデザート、だと思っていたのですよ。「どうせ売れないよ」と。

ところが店に出してみたら、これが売れる売れる…。

お客さんの様子を見ていると、若いかたはどうもヌガー・グラセをご存知ないんですな。
食べたことがない、目新しいデザートということで注文されているようです。

サラマンジェのヌガー・グラセは、ヘーゼルナッツやクルミのヌガーを砕いたもの、さまざまなドライフルーツを、オレンジの花のはちみつでつっくったイタリアンメレンゲと生クリームに混ぜ込んで凍らせたもの。アイスクリームの一種であります。

中でもとくに重要なのは、毒々しいまでにビビッドなドレン・チェリーとアンゼリカですな。これは絶対にはずせませんですよ。

ところがね、アンゼリカを取り扱っている業者さんは多くはありません。受付の女の子じゃ「アンゼリカとは何ぞや」というところから説明しなきゃならんのですよ。
さもありなん。私が子供のころのクリスマスケーキにはゼッタイ載ってましたが、イマドキじゃあね、アンゼリカを使おうって人なんかそうはいますまい。

で、やっとの思いで見つけても、ほぼ「フキの砂糖漬け」なんでございますよ。

アンゼリカは仏語で書くとAngélique アンジェリークというハーブの一種でございまして、フキで作るアンゼリカはその模倣品なのであります。

で、“本物のアンゼリカ”を手に入れようと、あるFrancophileで有名なパティスリーにも問い合わせてみましたが、「以前はやってたけど売れないからやめちゃった」そうでありまして、どうしても見つかりません。

やむなく現在のヌガー・グラセは‘フキの砂糖漬け’で代用しておりますが、Authentiqueを目指しているわけですから、なんとしても‘本物のアンゼリカ’で作りたいのです。

どなたか情報をお持ちのかたがおりましたらご一報ください。ヌガー・グラセ一切れサービスします(←ケチだね…)

アンジェリークの根はシャルトルーズの薬草としても使われているということで、「シャルトルーズを飲みながらヌガー・グラセを食べる」ということをやってみたいんですよ。誰がって私が。

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chef

10 Responses to “アンゼリカ 或いはAngélique”

  1. まきまき 2010年6月4日 at 13:56 # 返信

    こんにちは。あんまりいい情報じゃありませんが、フレッシュのハーブとしては国内の流通はないようです。
    日本でもガーデニング・アイテムとしてはそんなにめずらしい部類ではないようで、時期によっては苗も出回っているみたいです。もちろん種子も国内で売っています。種子は
    http://natural-harvest.ocnk.net/product/489
    で扱っています。ただし種まきから2年かかります。

  2. オヤジシェフ 2010年6月5日 at 09:00 # 返信

    早速の情報ありがとうございます。
    無いものは作るしかないってことですね。
    では収穫できたらご連絡いたしますゆえ、ヌガー・グラセ食べに来てください。(2年後ね[E:heart])
    あるいはアンゼリカを買うためにフランスまで行くか…。

  3. ヒロ 2010年6月7日 at 17:53 # 返信

    いやいや、だれも見向きもしないなんてこと、ないですよ。サラマンジェのお料理の方向性がお好きな方ならツボ直撃なはず!嬉しかったなー、ヌガー・グラセがあって。

  4. オヤジシェフ 2010年6月8日 at 13:41 # 返信

    毎度お引き立ていただきましてありがとうございます。
    家人はこれを評して「思いっきり昭和の味」と言っております。
    まぁ、狙い通りではあるんですが…。

  5. イバリン 2010年6月8日 at 17:32 # 返信

     お店には2度程伺ったことがあります。一度は会社の同僚と、もう一度は妻とです。で、普段はこのHPを拝見しています。
    アンジェリカですけど、ブルガリア産のドライなものなら下記のURLにありましたけど。如何でしょうか?
    もしもお役に立ったら、誉めてください。
    http://www.botanicals.co.jp/onlineshop/single/3101005.html

  6. ポリ 2010年6月9日 at 10:39 # 返信

    はじめまして。
    いつもたのしくブログ拝見しています。
    ありがとうございます。
    アンゼリカ検索したらうちの明日葉にそっくり。
    さすがセリ科!
    さて、
    来週フランスに行くので買ってきます。
    手に入れたら連絡します。
    製菓用のアンゼリカください、で、シェフご要望の正しいものが手に入るのでしょうか?

  7. オヤジシェフ 2010年6月9日 at 14:48 # 返信

    みなさま、お調べくださいまして誠にありがとうございます。感謝感激でございます。
    さて、イバリンさんのは根ですね。これはシャルトルーズに漬け込んで、より薬効アップにして飲もうと思います。神の領域に近づけるかも…。
    ポリ様
    なんとありがたや。恐れ入ります。
    Angélique confite アンジェリーク コンフィットと言って下さいまし。ニオールのものが有名ですが産地は問いません。手に入りましたら一生ヌガー・グラセ無料にします!

  8. えん 2010年6月22日 at 15:00 # 返信

    はじめまして。興味深く楽しい記事ばかりで、時々寄って読ませていただいてます。
    ヌガーグラッセが古臭いデザートだったとは、思いもしませんでした。
    近所の行きつけだったフレンチレストランではときどきメニューに載る品だったからです。
    色とりどりの粒々が綺麗で、メレンゲに混じったナッツやドライフルーツなどの食感も楽しくて、たぶんアンゼリカはフキの砂糖漬けだったのだろうと思いますが、好物の一品でした。
    全て過去形なのは、そのレストランが去年閉店してしまったからです(泣)
    まだお店には伺ったことがありませんが、いつか本物のアンゼリカ入りヌガーグラッセを食べにサラマンジェへ行きたいと思います。

  9. オヤジシェフ 2010年6月23日 at 14:27 # 返信

    奇特な方がいるもので、フランスまで買いに行って下さった方がおりまして、やっと本日、「本物の」アンゼリカが手に入りました。
    どうぞお越しくださいませ。
     
    ところで閉店してしまったお気に入りのレストラン、ヌガー・グラセみたいな古臭いことをやってたから?じゃないことを祈ります。

  10. 杜 世恵 2010年6月24日 at 09:34 # 返信

    拙宅の近くのレストランもヌガグラッセを普通に出すので そんな古臭いデセール
    とは知りませんでした
    ファーブルトンやガトーナンテも出ます
    盛業中です

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